病気になった"原因"じゃなくて、病気になった"意味"は何か。：映画「ツレがうつになりまして。」
会社員をしていた生真面目な夫がある日、うつになった。
それを支える漫画家の妻との、夫婦の絆の物語。
メンタルヘルスの問題について関心のある私は、
代表的なメンタル疾患であるうつ病をテーマにした作品ということで興味があった。
頑張らなくていいんですよ
辛かったら頑張らなくていいんです
そのままでいいんです
「頑張る」という表現について英語には直訳がない。
「頑張る」とは日本の文化だ。
気合いで頑張れ。同じように出来ないのは根性が足りないんだ。心が弱いんだ。
裏には「みんな同じである」という意識が隠れている。
みんなと同じように出来ないのは、ただ「努力」が「頑張り」が足りないのだと。
ほんとはみんな違うのに。
私最近思うんだ。
ツレがうつ病になった原因じゃなくて、
うつ病になった意味は何かって。
病気は理不尽だ。
なぜ自分がこんなに苦しまなければならないのか。
病気になっていない人は山ほどいるのに。
病気になる可能性のある人は他にいくらでもいるのに。
どうして自分なの？
何も悪いことしていないのに。こんなにちゃんと正しく生きているのに。
病気のために他人より日常生活を制限して、
こんなにも余計にお金と時間と精神力をかけなければならないなんて。
病気を持っている。重篤な病ではない。
でもよく思う。
なぜ私なの？なぜ私だけがこんなに苦しまなければならないの？
私が悪いんじゃないのに。
では、病気になった原因じゃなくて、意味はなにか。
私が病気を持っている意味は？
この病気は、疲れやストレス、免疫力の低下で起こる。
そのためには、健康的な食事をとる、体力をつける、ストレスをためないことが大事。
つまり日常生活がおろそかになるまで無理しない。
病気は自分が今少し「無理している」ことを教えてくれている。
ハードに働けない。ハードに働いてはいけない。
つまり
自分はハードに働かなくてもいい。自分の健康にもっと気を使うべきだ。
病気はそれを教えてくれている。
それが病気になった意味だ。
その瓶もたかがガラス瓶だが、
割れなかったから今ここに在る。
割れないで在ることに価値があるんだよ？
本当に価値があることは、病気になるほど働くことではない。
病気にならないことに価値がある。
健康で在ることに価値がある。
他人と同じようにハードに働けないのは辛い。
でもそれもまた「みんな同じ」を自分で自分に押し付けてはいないか。
みんな違う。
他人と比べなくてもいい。
自分はハードに働いてはいけないのだ。
もっと自分に甘くしていいのだ。
それを教えてくれる、その口実になってくれる、
病気に感謝。
